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旧北炭 鹿ノ谷倶楽部(夕張鹿鳴館)

旧北炭 鹿ノ谷倶楽部(夕張鹿鳴館)

Open Panorama夕張市鹿の谷にある旧北炭 鹿ノ谷倶楽部である。訪れたのは初秋の9月。同じく夕張市にある「幸福の黄色いハンカチ」ロケ地に行った後だったので時刻は既に夕方近く。閉館時間を気にしながらの慌ただしい見学だった。

この旧北炭 鹿ノ谷倶楽部、旧北海道炭鉱汽船株式会社(以後、旧北炭)の役員や来賓のための施設として大正2年(1913年)に建てられた。

パンフレットによると「鹿ノ谷倶楽部は東西に並ぶ三つの建物(棟)から構成され、中央の本館と西の第一別館、東の第二別館がそれぞれ渡り廊下で連結されいます。倶楽部の敷地面積は約85,000m2、延床面積は約1,600m2、和室、洋室を折衷した38室もの部屋数を数える、大規模な建設物となっていました。」とある。敷地面積約85,000m2と言うことは、お決まりの例えで言うと東京ドーム約1.8個分、北海道流に言えば札幌ドーム約1.5個分になる。

旧北炭 鹿ノ谷倶楽部(夕張鹿鳴館)

旧北炭 鹿ノ谷倶楽部(夕張鹿鳴館)

その建物は和風ベースの中に洋風を取り入れた、いわゆる和洋折衷なスタイルである。浴室のステンドグラス、寝室の照明器具、洋間のマントルピース等を見ると、当時としてはとてもモダンな建物だったのだろうと思われる。もちろん、今見てもその美しさは健在である。昭和29年には、国体に御出席のため來道された昭和天皇・皇后が夕張炭鉱を視察した際にご宿泊されている。

この豪華な施設を建てた旧北炭は、当時、炭鉱の街夕張の中心的な企業だったそうだ。しかし、昭和56年(1981年)の「北炭夕張新炭鉱ガス突出事故」を切っ掛けに、この鹿ノ谷倶楽部の運命も一転する。

応接間

応接間

Wikipediaによると、この事故での犠牲者は救護隊の10名も含め93人。爆発後の火災が収まらず、坑内に59名の安否不明者を残したまま注水による消火を余儀なくされるというショッキングな事故であった。この事故により、旧北炭は倒産し、その負債の一部は夕張市が負うこととなる。石炭から石油へというエネルギー転換の大きな流れの中とは言え、このことが夕張の破綻への引き金だったのだろう。

その後、鹿ノ谷倶楽部は夕張市が買収、平成6年(1994年)に「夕張鹿鳴館」として一般公開されるが、市の破綻に伴い一時休止(平成18年)。平成19年(2007年)に加森観光株式会社の管理運営で再開される。

ところが、10月に入ってから知ったのだが、この加森観光も委託管理を夕張市へ返上。理由は建物の老朽化による修繕費や採算性らしい。市では現在、この建物の処遇について検討委員会を立ち上げているが、なにせ、予算が厳しいのは誰が見ても明らかな訳で、、、

脱衣場のステンドグラス

脱衣場のステンドグラス

もちろん、存続させるためには、市民の皆さんの理解が必要だろう。ガス突出事故を起こした旧北炭の富の象徴的?なイメージから、あまり好ましく感じられない方々もいることだろう。しかし、夕張の一時代を築いた繁栄の象徴としての鹿ノ谷倶楽部が、市民の生活の場であった炭鉱住宅(幸福の黄色いハンカチのロケ地)と共に残されるのは意味が有るように感じる。鹿ノ谷倶楽部について調べてみると、いかに北海道の歴史に炭鉱が重要な役割を果たしていたのかがよくわかる。道レベルでも、この建物の存続を検討してもらいたい、ゼヒ。

ところで、
最初にも書いたが、この鹿ノ谷倶楽部へは「幸福の黄色いハンカチ」ロケ地の帰りに寄ったこともあり、ちょっと中途半端な撮影が、かなり心残りである。後で知ったのだが、檜造りのお風呂も有ったようだ。紅葉の季節がイイらしい。その頃、また元気な姿で再会したいものである。

【関連情報】
旧北炭 鹿ノ谷倶楽部(夕張鹿鳴館)
Wikipedia:夕張鹿鳴館
Wikipedia:北海道炭礦汽船
Wikipedia:北炭夕張新炭鉱ガス突出事故
Wikipedia:夕張市
小樽ではたらく本部長のblog夕張鹿鳴館(旧北炭鹿ノ谷倶楽部)

【サイト内関連情報】
panoramas:「幸福の黄色いハンカチ」ロケ地

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