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「ガロ展」

「ガロ展」

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Open Panorama小樽文学館で開催された「編集長・長井勝一没後20年 -『ガロ』と北海道のマンガ家たち展」(2016年9月3日〜10月23日)の様子である。「ガロ」は1964年から2002年まで刊行された漫画雑誌で、「カムイ伝」の白土三平、「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる等、いわゆるガロ系と呼ばれる多くの優れた個性派作家を輩出した。その「ガロ」を作ったのが長井勝一である。

会場に入ると右手の壁一面には、刊行されたほぼすべてのガロ(240〜250冊)が展示されていてる。創刊号から順番に並べられたその表紙より、時代とともに変遷していったガロの特長がよく分かりとても興味深い。

私自身、丁度、ガロと同じ時代に少年期を過ごしたのだが、もっぱら「あしたのジョー」や「巨人の星」などのスポ根系に夢中であった。当時、ガロを知っていれば、もっと違った世界が開けていたのかも知れないと、今更ながら思うのである、まあ、良いか悪いか別にして…。

実はこの会場に入りとても気になっていたのが正面に貼られた写真で窓から覗いているオヤジさんである。展示を観ていても、常に後ろにその気配を感じるのである。帰り際、館長に訪ねると、彼が長井勝一氏であった。

小樽からの帰り道、ずうっと気になっていたのが青林堂の窓から眺めている長井氏の自然体というかとても力の抜けた表情である。もっと彼のことを知りたくなり自伝「ガロ編集長」を読んでみた。前半は彼の生い立ち〜ガロ創刊、後半はガロに登場する作家たちである。長井氏自身、編集者であるわけだが、読みやすく、ぐいぐい引き込まれる内容であった。読み終え、やはり、彼の人柄と情熱が多くの作家を引き寄せ「ガロ」を創り出したのだと感じた。青林堂の窓で見せるその表情で、多くの作家たちを口説き、育てたのだろう、きっと。

[ガロ展]
場所:北海道小樽市 色内1丁目9−5
撮影:2016年09月23日
機材:Canon EOS 6D + EF40mm F2.8 + Nodal Ninja 4, Canon EOS 6D + EF8-15mm F4 L Fisheye@15mm + Nodal Ninja 4, Ricoh Theta S
アプリ:Lightroom, Photo Shop, PTGui Pro, Pano2VR
ピクセルサイズ:37,376pix * 18,688pix(EOS 6D + EF40)

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